椿谷巡礼(鳥取教会)                                  2015年5月10日(日)

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椿谷巡礼(鳥取教会)

 

 2015年5月10日(復活節第6主日、世界広報の日)、鳥取教会恒例の浦上四番崩れ殉教地、椿谷巡礼を行ないました。椿谷は鳥取教会から徒歩約20分のところにある谷の呼称で、現在は椿谷という地名はありません(ちなみにグーグルマップで「椿谷、鳥取市」で検索しても出てきません)。ここには江戸時代から明治時代初期にかけて、牢獄と刑死者の埋葬地がありました。浦上四番崩れの鳥取藩流配者の数は163名にも及び、過酷な収監環境のため、死者数は45名と他の流配地に比べ高率であったと記録されています。
 この日は岡山教会から岡山・鳥取地区殉教者担当委員の方も参加され、野嵜神父様を含め総勢26名の巡礼でした。当日は晴天に恵まれ、朝9時30分に教会を出発し徒歩で椿谷に向かい、10時頃から現地で野外ミサを献げました。広島教区では同じ浦上四番崩れの殉教者である津和野の殉教者の列福・列聖運動をおこなっています。野嵜神父様はミサ説教の中で「この椿谷の殉教者が受けた苦難は、津和野の殉教者が受けた苦難と変わらないものであったのではないでしょうか…」と話され、流配者の想いを偲びました。ミサ後地区殉教者担当委員の方が浦上四番崩れの概要と浦上教会の苦難の歴史について話され、先人達の想いを次の世代へ伝えていく事の大切さを皆に熱く語られました。
 鳥取教会は1888年(明治22年)、神戸教会の巡回教会として産声を上げました。迫害の後、十数年しか経っていない当時、この地に信仰の礎が築かれたのは、流配された浦上の信者達が残した信仰の強さがあってこそだと思います。殉教地椿谷を守っていく想いを強くした一日でした。